霧原一輝/日記

日記

■2015年09月30日(水)  スマホの罅割れ
 先日、横浜スタジアムで野球を観て、その足で横浜中華街に行ってきた。
 息子とその嫁と一緒だった。
 横浜球場はたしか二度目だと思う。デーゲームで、バックネット裏の高いところだったが、やはり、天候や自然が感じられて、屋外の球場のほうがいい。
 東京ドームは嫌いだ。なんだか、箱庭で野球という「ゲーム」を観ているようで、いまひとつピンとこない。
 本塁打が3本出たが、後ろから見ていると、打球の軌跡が美しい。
 あの放物線は見ているものに快感を与える。
 
 その後、中華街の老舗萬珍楼で夕食を摂った。とても美味しかった。コースを頼んだのだが、こちらの舌の感覚、今どう感じているかを読みとって、その時に求められる味のものを出してくる。エンターテイメントしてる。
 読者の事をよくわかっている小説家と同じだ。ううむと唸った。
 へんな言い方だが、勉強になった。

 その後、腹ごなしに山下公園をまわり、夜のイリュミネーションの美しい海を眺めながらの散歩。
 なかなかいい感じじゃないかと満足していたのだが、最後に落とし穴が待っていた。
 私が、歩きスマホをしようとして、なぜか左手で取り出した瞬間、道路の障害物にあたって、スマホがぽろりと。
 地面にぶつかるとき、いやな音がしましたよ。
 拾いあげたときには、すでに、フロントガラスに蜘蛛の巣が!!!
 
 なかには、罅割れたまま使っている人もいるようだが、これはひどずぎた。全面蜘蛛の巣状態で、画面読んでると、頭がおかしくなりそう。

 交換しましたよ。しめて、1万5千円なり。
 スマホは絶対に落とさないようにしましょうね。
 
 
 


■2015年09月20日(日)  重版しました
『満員電車』(二見文庫)が重版しました。ひさしぶりの重版なので、かなりうれしい。
 3年前に出したものだけど、二見官能文庫創刊10周年特別企画に入っていた本なので(そういえば、ちょっと前にPOPを書いた覚えがある)、それでまた売れて再販ということになったのでしょう。ありがとうございます。

 世間はシルバーウイークで、9連休の方もいらっしゃるとか。しかし、9日も休むと、働く気にならなくなっちゃうんじゃないか。9日も筆を休めたら、書き方忘れちゃう、絶対。

 池袋で開催中の「江戸川乱歩展」と同時開催の「やみ市展」に行ってきた。
 講談社の黒箱の『江戸川乱歩全集』全巻持ってますからね。『ドストエフスキー全集』は売ってしまったけど、これはしっかり持ってる。
 やはり、直筆原稿は趣があっていいですね。乱歩ばかりでなく、高木彬光とか横溝正史とかの原稿もあり、『D坂の殺人事件』や『刺青殺人事件』や『八つ墓村』の直筆原稿は感動するな、やはり。
 池袋の闇市もかなり資料が残っていて、店の並び表なんか見ると、リアルに当時を感じる。『肉体の門』書きたいけど、たぶん闇市の女たちを書くバイタリティは私にはないだろうな。誰かに任す。
 その後、池袋西口広場のホッピー祭りで、300円ホッピーをぐいぐいやりながら、オールディズの演奏を。
『IWGP』ですからね。ここは、もろに。わからない人はいいです。

 性倒錯に満ちた現代版乱歩、書きたいなあ。どこか、書かせてくれないだろうか?
 

 


■2015年09月14日(月)  日活ロマンポルノ
 先日、WOWOWで、故・神代辰巳監督の名作『一条さゆりの濡れた欲情』(1972)と『赫い髪の女』(1979)を見た。
 私たちの世代は「日活ロマンポルノ」で、育てられたようなものですからね。
 とくに、クマさんこと、神代辰巳は好きだったな。
 実際に、新宿のゴールデン街で何度もお会いしてたしね。ヤニで汚れた黄色い歯を見せていつも照れ笑いしてた。

 72年はすでに東京の大学に通っていて、『濡れた欲情』を映画館で見たときの感動は忘れられない。蝋燭ショーで高名だった当時のスターストリッパー・一条さゆりの引退興行を中心に、彼女とまったく相反するきわめて現代的な若いストリッパーを伊佐山ひろ子が演じている。
 当時は、断然伊佐山派だったな。彼女が付き人を従えて、超ミニワンピース姿で昂然と顔をあげて街中を闊歩するあの映像が忘れられない。
 あのきわめて計算高いのに、なぜか憎めないキャラは伊佐山だから演じられたんだろう。
 もっとも、今回ひさしぶりに見て、この映画はストリッパーという反権力の世界を描いたものだとわかったけど。たぶんそれは、シナリオの荒井晴彦の存在がでかかったのだろうな。
 一条さゆりという「実」と伊佐山の「虚」の対比が素晴らしい。
 一時は、日本映画のベストテンには必ずこの映画を入れていた。
 今も、愛すべき作品だと思う。伊佐山が隠れているでっかいトランクが坂道を転げ落ちたり、最後に、客にあそこからミルクが出るのを見せていた伊佐山が、いきんだ途端に脱脂綿が飛びだすそのストップモーションで終わるとことか。
 たまらないです。

『赫い髪の女』は中上健二の原作を映画化したものだけど、宮下順子の倦怠感と性の欲求への忠実さが悩ましい。今回見て、あらためて凄い映画だと思った。

 しかし、しかしね。じつはこれが「ネトラレ」の映画だとはじめてわかった。当時はあまり「ネトラレ」という概念がなかったような気がする。
 石橋蓮司のとまどいがいい。面倒を見てる男に求められるままに、自分の女を差し出すなんて、女性にはまず理解不能でしょうね。
 
 歌詞ではないけど「男と女の間には暗くて深い河がある」んですよ。そして、みんなこれを埋めようとして、渡ろうとして、撃沈しされてしまう――。
 渡ろうとしなきゃいいんだけど、わかっていながら、渡ろうとしちゃってるんだな。だいたい、途中で溺れますね。


■2015年09月07日(月)  取材はスマホが役に立つ
 一気に涼しくなって、体がついていかず、風邪ひきそう。
 取材で三浦半島の突端に足を伸ばしたり、父の法事で帰郷したり、連載を書いたり、長編のゲラチェックをしたりと、落ち着かない毎日を送っている。

 取材には、スマホがとても便利だということが、ようやくわかってきた。
 もちろん、写真撮ったりするのは当然だけど。しかし、最初から撮影に気を取られると、肝心の印象が薄れるからね。
 たとえば、ある光景を見たら、まずは言葉が浮かぶのを待つ。その際、浮かんだ言葉をスマホのボイスメモに録音しておくと、忘れないということがわかった。
 だいたい、感想をスマホに向かって喋ってるのって、なんだか自分が「できる人」になったようで、ぞくぞくする。
 
 録音してると、言葉ってけっこう出てくるものらしい。あとで聞くと、このまま小説に使えるな、俺って才能あるって、思ったりするんだけどね。
 ただ、音で聞くのと、字面って違うので、実際に書いてみると、なあんだって落胆することもあるとは思う。

 まあでも、一番の収穫は「マグロの競り」を魚市場で見たことだな。
 見学コースがあって、上の回廊からじっくり見させてもらい、スマホのビデオにも撮ってきた。面白かった。競りのシステムやマグロの見方もだいたいわかったので、マグロのバイヤーになる自信がある。
 
 ご存じ「特選小説」の別冊「官能小説【紫】人妻ベストコレクション」が発売されています。霧原の作品は「初恋の記憶」が再録されています。
 巻末には「早瀬真人が選ぶ 今読みたい人妻官能文庫」の特集があり、霧原の『お色気PTA ママたちは肉食系』(二見文庫)も紹介されています。
 いいことかどうかわからないけど、まだまだ「人妻もの」の需要は続くなあ。タイトルに「人妻」と入れれば売れる時代はまだ続くのだろうな。


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