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霧原一輝 / 著者紹介

日記

2014年10月01日(水)

もう10月か……

 10月ですね。今年もあと3か月、つまり、一年の四分の三が過ぎたわけだ。
 ううむ、やってないな(何を?)。

 昨日、書き下ろしを編集さんに送り、ほっと一息ついたところ。
 こういう季節の隙間は、いけませんね。うら悲しくなる。
 最近は、同じ夢ばかり見る。

 と言っていてもしょうがないので――。
 今日の朝日新聞に、大江健三郎氏の記事が掲載されていて、大江様が自ら赤を入れた「セブンティーン」の文章があり、興味津々で隅から隅まで、拝見させていただきました。
 ほとんどが削ったり、簡潔に書き直されていて、なるほどって。
 若い頃は、推敲は、書き加えることだったが、齢をとるにつれて、書き加えた分だけ削るのが自然だとわかってきた――と仰っていて、うん、そうだよなって。
 もちろん、私ごときと大江様とは、次元が違うことは承知の上ですが。

 高校生の時、新文芸部を作って、ガリ刷りで小冊子を出していたんだけど、今でも覚えているのは自分が「大江健三郎小論」って、評論を書いたこと。
 大江様を本格的に読むようになったのは、大学出立ての新任教師の影響ですね。
 彼の影響で、ソシュール言語学勉強して、レジメ作って、みんなの前で発表してた。『賃金・利潤・価格』とかも、高校生の分際で読破してたな。
 もっともそんなことしてるから、一浪したんだけど。

 で、大江様が手を入れた自薦短編集が岩波から出たというので、Amazonで早速買ったら、ベストセラー1位でしたね。
 わかる。私のように青春時代に嵌まった方が、こぞって購入してるんでしょうね。そりゃあ、再読したいですよ。23作入って、800ページ超えてるんだから。
 何十年も前に書いた短編に手を入れるって、すごい勇気がいることだと思うし、
ファンとしては、読まざるを得ない。

 で、いきなり現実に戻しますが、霧原の今月の刊行は、
○おそらく10月9日から始まる双葉WEBの連載『のしあがり』
○中旬に出る『潮風カイカン物語』(日刊ゲンダイに連載した『ひと夏の蜜情』のタイトル替えて、加筆したもの)
○下旬に出る「新鮮小説」の短編

 以上です。読書の秋とも言います。気が向いたら、読んでくださいませ。

  

 

2014年10月05日(日)

考えるな、感じろ

 今日は、午後11時半より、凱旋門賞。
 勝ってほしいという気持ちと、現在故障していて来年には再挑戦するだろう、キズナ・武豊コンビに優勝は取っておいてくれ――という複雑な心境。
 でも、勝つなら、お父さんのデープインパクトが成し遂げられなかったことを娘がという意味で、ハープスターに勝ってほしい。
 競馬は血のスポーツだしね、お父さんの無念を娘が晴らしてほしい。

 現在、吸収期で、この二日間で30冊以上本をAmazonで購入。一度に頼めばいいんだけど、頼んでは、これもを繰り返すものだから、何度も分けて届く状態で。
 おちおちオナニーもしてられない。宅配便の人がたびたび来て。
 もう、すっかり顔なじみで、「何度も申し訳ない」と謝っているんだけど。
 でも、彼はもう私が官能作家だとわかっているだろうな。
 ネームプレートにも書いてあるし、こんなに本らしきものを買う人って、絶対へんだし。たぶん、霧原の名前で検索かけてる(笑)。

 ちなみに最近のお薦め本は『娼婦から見た日本』(八木澤高明)ですね。
 この本はすごい。文章がいい。
 それに、横浜黄金町のことも書いてあって、その繋がりで『ヨコハマメリー』のDVDも観たんだけど、いやあ、なんていうか、あの白塗りのお婆さん娼婦、一度この目で見ておきたかった。
 横浜って、面白い。そのうち、横浜を舞台に小説書くと思う。

 で、今日は長いよ。
 昨夜、テレビのドキュメントで、京都帯匠の10代目・山口源兵衛氏をやっていて、この人は只者でないと、深く感ずるところが多々あった。
 で、もっとも心に響いたのは。
「生地を見るときに、一番してはいけないことは、帯にしたらええ、と考えることだ」と。
 帯を作ってる人がですよ。
 つまり、素直な直観、この生地ええな、との第一印象、自分の感性を、帯にできるかどうかという功利的な頭、計算で鈍らせてはいけないということ。
 心に、響いたな――。

 そうなんだと思う。
 プロの陥りがちな陥穽――。
 俺も、もう一度、自分の足元というか、エロいと感じる感性を検証というか、素材のママ大切にしなくてはと思った。
 考えるより、まず、感じろだよね。

 

 
 

 
 

 

 

2014年10月06日(月)

台風

 雨風が異常に強い。
 空はうなっているし、風音も怖いほど。
 ぷらゴミの日なので、出したら、容器の蓋がぶっ飛んで、壊れてた。

 これほどの雨風はここに来て、初めて。
 恐怖さえ覚えて、仕事も手につかない。
 停電に備えて、仕事はバッテリー付のノートパソコンでやってる。

 このままいくと、18号、湘南直撃しそう。
 きっと今、波がすごいだろうな。見に行きたい欲望をこらえている。
 すでに、サーファがひとり行方不明になってるし。

 しかし、すごいぞ、これは。
 子供の頃、体験した「伊勢湾台風」を思わせる。
 ビートルズ聴いて、紛らわせてるけど、ビートルズじゃダメだな。
御嶽山の土石流が心配。もっと南にコース変えてくれればいいんだけど。

2014年10月08日(水)

完済!!!

 昨日、銀行で住宅ローンの繰り上げ返済をして、見事、完済いたしました。
 25年ローンを、ペン一本で(ペン→ワープロ→パソコン)で完済できたのが、どこか夢のようです。自己破産するしかない、という時期もありました。一番つらかったのが、友人からの借金でした。幸い、全額返せましたが。

 完済できたのも、版元様、編集者様、並びに読者の皆様のおかげです。
 ありがとうございます。これからも皆様の期待を裏切らない作品を生み出し続けていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 で、借金がなくなると、糸の切れた凧みたいになるのではと心配だったのですが、今のところない、というか、全然変わらないです(笑)。
 
 最初に本を出したのが1989年で、官能文庫の初版が35,000部でした。
 当時は、出せば重版がかかるのが普通で、しかも、重版一回が5000部でした。したがって、年に3本出せば、十分食っていけた。
 一社で年3本出して、いい時は確か800万ほどの年収があった。つまり、それだけ、初版が多く、重版もばんばんかかってたということ。

 今では、夢の世界ですね。
 出版業界自体がほぼ三分の一まで縮小し、部数もほぼ同じ率で減っているから、かつての年3本は、今はその3倍で、9本書かなきゃ、同じ収入にはならない。

 年3本を10年つづけるのは難しくないが、年9本を10年つづけるとなると、これはかなり大変です。
 さらに、30年つづけるとなるとこれは至難の業で、この業界でできているのは睦月影郎氏くらいじゃないかな。

 初版の部数が多くなれば、多く書く必要はない。じっくり書けるから、内容的にも充実する。
 ただね。
 今はそうはいかないのが、現状でもあり、自分で自分の首絞めてるんじゃないかと危惧にかられつつ、出し続けるしかないんですね。
 コンスタントに出していかないと、読者の目にはつかないしね。

 何を書いているのか、自分でもわからなくなってきた(笑)。
 おそらく今、いい意味で肩の荷がおりているので、これまでよりさらにいい作品が書けそうな気がする。いや、おたかさんじゃないけど「やるっきゃないでしょう」。
 

明日から、双葉WEBで新連載『のしあがり』がはじまります。
 意欲作で、無料ですので、ぜひお立ち寄りくださいませ。
http://www.futabasha.co.jp/wm/

 今夜の皆既月食、楽しみだ。
 

 

2014年10月11日(土)

『のしあがり』連載開始

 双葉WEBで『のしあがり』の連載がはじまっています。
 http://www.futabasha.co.jp/wm/

 時代に逆行して、会社でのしあがっていく物語。現代の草食系男子へのアンチテーゼが書けたらいいなと、思っています。
 第一回で、担当編集者さんが、共感を覚えたという箇所がこれです――。

「中途半端なセックスは自慰でしかない――。
 生半可な性交をするくらいなら、手淫のほうがましだ」

 毎週木曜日更新です。初回から読まれたほうが、楽しめると思います。
 読書の秋です。無料ですので、気が向いたら、飛んでくださいませ。


 皆既月食も異空間に連れていかれたけど、昨日の夕焼けもすごかった。
 あんな赤い、まるで、人工着色されたみたいな夕焼けの赤は、はじめて見た。
 スクリーンと化した雲に夕日の赤が映って、あれだけの大規模の夕焼けができたらしい。
 大自然といえば、スーパー台風19号の、台風の目の画像見ました?
 あれこそ、空の肛門――。
 このままいけば、ものすごい台風が来そうで、ちょっと怖い。
 自然の驚異を感じるな。

 そうそう、先日、飯田橋でいつものメンバーで雀卓を囲んだ。
「ローン、完済したんだから、ロンはなしね」などという冗談からはじまった麻雀。もともと、卓を囲んで、わいわいやるのが大好きで、しかも、完済したばかりなので、きっと負けるだろうなと思ってました。
 やはり、じりじりと凹んでいたので、今日はこのままいくだろうと腹をくくってました。
 ところが4局目に、な、なんと、四暗刻の役満を積もりました。
 自分でも、自分の悪運に驚きました(笑)。

 これで、肝心の人生の運をつかい果たさねばいいのだけれど……。
 
 

2014年10月15日(水)

明日、発売!

『潮風カイカン物語』(双葉文庫)が明日発売されます。
 楽しく、また、身につまされる物語です。よろしくお願いします。

http://www.amazon.co.jp/%E3%81%B2%E3%81%A8%E5%A4%8F%E3%81%AE%E8%9C%9C%E6%83%85-%E4%BB%AE-%E5%8F%8C%E8%91%89%E6%96%87%E5%BA%AB-%E9%9C%A7%E5%8E%9F-%E4%B8%80%E8%BC%9D/dp/4575517208/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1413340820&sr=1-1

Amazonでは、まだ仮題のままですね。

2014年10月19日(日)

秋の江の島花火

『潮風カイカン物語』が発売されています。よろしくお願いします。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575517208/nejireweb-22/ref=nosim/

 また、双葉WEB連載『のしあがり』の二回目も更新されています。無料ですので、時間があったら飛んでください。
http://www.futabasha.co.jp/wm/

 夕方、りゅうの散歩していたら、やけに多くの人がぞろぞろと海岸に向かうので、ああ、そうか、今夜は江の島の花火大会かと。
 散歩を終えてから、ひとりで辻堂海岸に向かいましたよ。
 海岸に着くころには、もうはじまっていて、江の島の橋あたりから、見事な花火が打ちあがっていましたね。横たわる江の島の隣で、極彩色の観覧車が回っている感じでしたね。
 江の島タワーのあのまわる黄色い光が邪魔で、花火の時くらい消せないのかって思いましたね。
 花火は、新潟の柏崎海上花火にぞっこんなので、あれと比べると落ちるのは仕方ないですね。でも、あの橋を使った仕掛け花火は、初めて見た。
 江の島を護っている竜神がのたうつ様を表現してるものもあり、また最後の連射はドラマチックでした。
 いちばん思ったのは、花火はひとりで観るものではないってこと。
 浜辺に座り、白い波頭越しに花火を観たんだけど、周囲はカップルや家族連ればかりで(笑)。
 尻が冷たくなったこともあり、途中で帰ろうと思ったのですが、結局、歩道橋で最後まで観てしまいましたね。
 秋の花火も、どこかうら寂しくて風情がある。
 
 

2014年10月27日(月)

日本シリーズ面白い!

 ずっと腹の調子が悪かったが、治りかけたら、今度は喉と左目が痛くなってきた。風邪ですね。私の場合、なぜかまず左目が炎症起こすので、抗菌目薬を注すことから、治療がはじまる。
 で、次は喉と左の奥歯周辺が腫れる。
 俺の体、どうなってる?

 全然関係ないですが、スポーツの秋です。
 運動神経、いいわけではないけれど、スポーツはやったり、観るのはほんとうに好き。
 ボクシング、ゴロフキン強え。ドネアがまさかKO負けするとは。山中の「神の左」はやはり「神の左」だった。なんて書いても、わからない人はわからないでしょうが。わかる人にわかってもらえればいいんです(笑)。

 菊花賞、勝ったトーホウジャッカルって、もろに震災の日に、産まれたんですよ。北海道だけど。で、幼いころに大病患って、死の淵から生還し、ダービーの前日にデビューして、わずか100何日かで、クラシック勝っちゃうんだから。
 まさに、奇跡の馬――。
 彼こそ、震災から立ち上がる日本のシンボルだと思う。
 で、前日にこの馬の単勝を200万買った方、単勝が6、9倍だったから、確実に1000万以上儲けましたね。
 少し、震災復興に寄付したらいい。

 で、阪神対ソフトバンクの日本シリーズ、やはり面白い。
 野球、めっきり観なくなったけど、この頂上決戦は別格。
 ここには駆け引きを含めて野球のすべてが詰まっている。
 正直言って、野球は時間がかかりすぎで、現代のペースに合わない。いつも言ってることだけど、9イニングは長い。7回で終わりにすればいい。
 とはいうものの、日本シリーズだけは特別ですね。
 仕事を朝型に変えたおかげで、じっくり日本シリーズが観られる。阪神に勝ってほしいけど、予想は4勝3敗で……。ここまでに、しときましょう。
 
 
 
 

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