書き下ろしを〆切ぎりぎりで一昨日に終えて、ここ二日は映画三昧の日々。
今日は、藤沢で、つるの剛士のライブを観に行ってきたけどね。
書き下ろしを終えると、一刻も早くその作品を頭から追い出すために(そうしないと、次の作品に取り掛かれない)、映画を見ることが多い。
今回見たのは『禁じられた遊び』と『ロミオとジュリエット』と『特命係長只野仁』(これは、テレビのシリーズだけど20話くらい見た)。
今、昔見て印象深かった映画を、ふたたび見るようにしている。
かつての印象との齟齬が面白い。『禁じられた遊び』は反戦映画だったと思っていたが、そうではないんだな。むしろ、ロリータと死、キリスト教なんだな。
初めて、わかった。あの頃はひらすら涙ぽろぽろだったからね。
記憶って、かってに頭のなかで作り替わっているんだな。
少女って、あの年ごろからすでに、カリスマ性があるんですね。怖いくらいに。彼女のために、十字架を盗んでしまう彼の気持ちがよくわかる。「魔性」って、少女のためにある言葉じゃないかって思った。『ロミ・ジュリ』はオリビア・ハッセーが目当てなんだけど。当時、私の「恋人」だったからね。うん、この歳になって、とてもここでは書けないことをいろいろと思った。乳首、出してたんだなとか、泣いているときの声がとてもハスキーで、年齢がさがるなとか。彼女ばかり見てしまう。
あとは、やはり、シェイクスピアの悲劇の組み立て方の「あざとさ」だな。あのラストのすれ違いは、現代では起こりえないんだけどね。でも、ワンシーン、ワンシーンが美しいよね。やはり、悲劇は美があって、はじめて悲劇として成立するんだと思った。
しかし、昔の名作映画って、必ず名曲と結びついている。シーンと映画音楽が一緒くたになっている。
しばらく、かつて自分が感動した作品を見直す作業をつづけたいと思っている。
また明日から、仕事。またまた書き下ろし。
「月刊霧原」はつづきます。