今日、『オフィスの女神たち』(双葉文庫)が発売されました。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%A5%B3%E7%A5%9E%E3%81%9F%E3%81%A1-%E5%8F%8C%E8%91%89%E6%96%87%E5%BA%AB-%E9%9C%A7%E5%8E%9F-%E4%B8%80%E8%BC%9D/dp/457551800X/ref=la_B004LV4MDK_1_10?s=books&ie=UTF8&qid=1436960547&sr=1-10 のしあがっていく主人公と、クロスしていく女神たちの狂おしい情交をお楽しみくだされば。
結局、4週間で4冊出してしまいましたね。4冊すべて買ってくださった方にはサイン本でも差し上げたい気分です。
先日、文芸家クラブの帰りの電車でのこと。
終電のグリーン車に乗ったのですが、車両の連結部分から、何やら、酔いどれ客の声が。私はその前から、気になっていました。
「穴が匂う」と、彼は呟いていたのです。
どういうことだろう、どこかに穴が開いていて、そこから危険物の匂いでもするのだろうかと、私は首をひねっていました。
そこに、車掌さんが来て、酔った客をおろそうと話をしているようでしたが、いきなり、酔った客が叫びはじめました。
「アナルが匂う! アナルが匂う!」
どう聞いても、そうとしか聞こえない。
車掌さんが、お客さんの迷惑になるからと、必死に彼を止めようとしていましたが、ますます彼は居丈高になり、
「アナルが匂う」を連発するのです。私はこみ上げてくる笑いを必死に抑えつつ、アナルはアヌスの形容詞形だから、この場合は「アヌスが匂う」が正しいのだがと思っておりました。いや、待てよ、何かの聞き間違いかもしれない。とも考えていたところ、彼が、
「薔薇色!」と叫んで、自ら笑い出したので、やはり、「アナルが匂う」でいいのではないかと。車掌の制止を振り切るように彼が言いました。
「俺のアナルはチーズ(笑)……俺のアナルはチーズ(笑)」「お客様、困ります」。
酔いどれアナル男は、次の停車駅である大船で降りていきました。
正体を確かめたくて、車窓から見ると、よれよれのポロシャツを着た30代の男の曲がった背中が千鳥足で遠ざかっていきました。
はい、それだけの話です。